大学の調査委員会も、この患者を含む二十四人の元患者に対して、正式のインフォームド・コンセントなしに臨床試験が行われたことは認めた。
にもかかわらず、臨床試験の責任者の産婦人科教授は厳重注意を受けるにとどまり、大学は責任の所在を曖昧にしたまま事件を幕引にしようとしているように見える。
病院であると同時に研究機関でもある「大学病院」という特殊な環境における「医師と患者」関係に内在する根本的な問題を、総合法的な視点から分析する。
2003年刊「「人体実験」と患者の人格権」に続く、その後の裁判の経過を記す。
●『人体実験』と法

●『人体実験』と法―金沢大学附属病院無断臨床試験訴訟をめぐって
この本と下の「『人体実験』と患者の人格権」を併せ読んで、ケーススタディの題材とし、治験や臨床試験における創薬ボランティアの人権の保護を新人モニターやCRCは言うに及ばず、各層の関係者で行うことも有意義だろう。
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